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奇樹の森を訪ねて(2015.06.08 MON.)

秋田市内から見える山といえば、「太平山」と遠くに「鳥海山」があります。

朝起きて窓を開け、仰ぎ見る姿形の良い山があったら、四季折々変化をみせる山にどんなに励まされ慰められるだろうかと思います。
街中の我が家からは残念ながら、3階のベランダから身を乗り出しても、太平山も鳥海山も見る事ができません。

快晴が保証された日曜日、車を走らせ珍しく頂上を見せる鳥海山に向かいました。
友人夫妻をお誘いして、目的地は鳥海山の裾野にある「獅子ケ鼻湿原」です。↓

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象潟の「蚶満寺」でひと休み。
山門の浮き彫り彫刻の筍堀りが面白い。

 
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ふと目を上げれば食べごろの「桑の実」がなっています。
子どものころを思いだして熟した黒い実をほおばりました。(黒い口をして帰り、叱られたものです。)

 
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休耕田になってしまった田んぼそばの水路に目を凝らすと「タニシ」や「アメンボウ」の姿があります。


ご存じ、ここはその昔海に浮かぶ島々と鳥海山が美しく、松尾芭蕉が訪ね句を読んだ場所です。
  象潟や 雨に西施が ねむの花
(島々が隆起してからも、田植え前水を張った田んぼを海に見立て、また田んぼに映る鳥海山もふくめて、人気の景色です。)
そんな島(?)のひとつに登ってみますと ↓

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↓ 鳥海山が裾野を広げて、稲田の向こうから私たちを呼んでいるようです。

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中島台に車を止めて森に入ってゆきますと、秋田県南部山形県境ということもあって、緑は濃さを増していました。

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木道を歩きながら花を探すのですが、花は終わり実を結びつつあるものが多かったようです。


炭焼きのため枝を切り、あるいは雪のために押し潰され‥‥何百年もの時間が造った造形の森。奇形のブナがあちこちに存在する不思議な空間なのです。

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戦う樹々。
一旦は締め付けられて蔓に譲ったものの、こんどは木肌が蔓を覆い込んで『敗者復活』でしょうか?


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雪解け水の小川に覆いかぶさるように藤の花がまだ残っていました。


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燭台と名付けられた奇樹


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炭焼き小屋が数十軒もあったこの森では、枝を切られては再生するを繰り返しながら、期せずして森全体がアートになってきたのでしょう。


↓ 圧巻は幹周り7メートルを越す「あがりこ大王」でしょうか!

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木彫仏像を想像できる「あがりこ大王」の一部です。


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「大王」を取り巻くように周囲には脇侍が控えています。


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緑一色の森の中に贅沢な目休めの赤い花が。


鳥海山の豊富な雪解け水が ↓

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↓ 一度地中にもぐって湧出る静寂な「でつぼ」で足を止め‥‥

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2時間あまりの奇樹の森巡りを満喫いたしました。

森といっても「鳥海山」は遥か高く、私たちは広〜い裾野のほんの一部に踏み入っただけです。
「鳥海山」の雪解け水は、近くは日本海に流れ込み魚介類を育て、また長い時間をかけてやがて北東部に広がる横手平野の水田にも水を供給します。

海からの独立峰「鳥海山」は、蓄えられた雪解け水で麓の生活を潤し、山の見える全ての地域でシンボライズされているようです。
いや〜!「鳥海山」って懐が深いなあ!
by hanatabi-haruko | 2015-06-08 14:17 |