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プッチーニ『蝶々夫人』2016 ミラノ・スカラ座(2017.02.06 MON.)

立春を過ぎて最低気温が0℃を越える日もあり、道路の端に寄せられた雪の壁は昨日今日の雨で大分融けています。

とは言うものの、未だ2月になったばかりです。今週末にかけてまた寒気団が南下し、まとまった雪が降るようです。一旦雪が消えても、そう簡単に春がくるとは思っていません。 今が冬本番なんですから。

安定しない天候に一喜一憂していては、気分が優れず身が持ちません。
そんな時、久しぶりにNHKプレミアムシアター放映の「オペラ」を観ました。(暗くて寒い季節をすこしでも楽しもうと、冬の間オペラやバレーや演奏会などが盛んに催されるヨーロッパ。2016.12.23 ミラノのスカラ座で 上演されたプッチーニの「蝶々夫人」です。)

指揮はリッカルド・シャイー 、演出はアルヴィス・ヘルマニスで100年ほど前の初演版での演出です。
長崎が舞台のこのオペラは、西洋人にとってジャパニーズのイメージはどんなものなのか?100年ほど前ジャパニズムで浮世絵や美術品がヨーロッパでもてはやされたと言うけれど、どんな解釈で演出されるのか?興味のあるところです。

舞台背景のスライドする格子の戸は、格子戸とも障子とも想像できます。見るからに木と紙の日本家屋を連想させます。
さらに奥のスクリーンにはピンカートンの乗ったアメリカ艦船が入港してくる長崎港が映し出され、また満開の桜も映し出され、蝶々さんが丘の上の屋敷に坂を登ってくる所から始まります。
(舞台装置だけでは表現しきれないスケールの景色や、時には戦争場面、回想場面などが映像で表現されるようになりました。演出がスッキリそしてより効果的になったと感じます。)

ご存知このオペラのあらすじは
没落氏族出身(?)の芸者蝶々さんと、総領事シャープレスに注意されても現地妻を金で買う発想しかないピンカートン。
芸者家業から足を洗い、一途な愛に生きようとする蝶々さんと、最初から帰国した後には正式にアメリカ人の妻を持つつもりのピンカートン。
アメリカ人と日本人の思い違いは初っ端から始まっています。

「ある晴れた日に」はあまりにも有名なアリアです。
第二幕第一場に歌われる「ある晴れた日に」を境に、帰国して便りのないピンカートンが蝶々さんのもとに戻ってくるという彼女の夢は、最悪の終末に向かって壊れてゆきます。
 

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ピンカートンの乗る艦船が港に見えて、桜の花弁を敷き詰めて彼を迎える準備する蝶々さんたち。
蝶々さんの身のこなし、女中のスズキの立ち居振る舞いが見事でした。
というか、ヘルマニスの日本人らしさの演出が見事でした。

衣裳‥‥身体を拘束する重くて固くてキツい着物ではなく、軽るくて薄い着物らしき衣裳を身にまとっていた。スズキは動きが多いためか少しだけギャザーがありスカート風だけれど、地味な色目でそれほど違和感はない。

仕草‥‥ゆっくり静かに、親指は内側に折り指を揃え、胸より上で、ゆっくり静かに弧を描くように踊るように。蝶々さんの口はおちょぼ口に紅が塗られ、できるだけ口を縦長に開けて歌っている。

歩き方‥‥急がしそうに働くスズキは、小股ですり足で上下動がなく能歌舞伎の所作風。でも小柄なスズキはまるでからくり人形の茶坊主さんのように見える。

表情‥‥蝶々さんは無表情で気品があり、スズキは一貫して眉根をひそめてとても悲しげ。

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背景映像に舞い飛ぶ蝶や小鳥も映った。

ピンカートンの心が予想通り蝶々さんから離れたことを知ったヤマドリが、蝶々さんを口説こうとする。その時の衣裳「裃」の肩ぎぬには大きな蝶が染められていた。

最終場面、ピンカートンの正妻が現れ、蝶々さんの最愛の坊やをアメリカに連れ帰り育てると告げる。蝶々さんは全てを察して名誉を守ろうと自刃し絶命する。

カーテンコールで最大の喝采を浴びたのは、蝶々さん役の歌手マリア・ホセ・シーリでした。静止状態もふくめて出ずっぱりの第二幕の熱演熱唱が光りました。
そして蝶々さんの運命に寄添った忠実な女中スズキ役の歌手アンナリサ・ストロッパも惜しみない喝采を浴びました。
(マリア・ホセ・シーリが深々とお辞儀をして顔を上げた時、瞳がうるんでいたように見えました。)

日本、日本人を静かに丁寧に表現し、素晴らしい演出でした。
いや〜、よい気分転換になりました。




# by hanatabi-haruko | 2017-02-06 16:45 | 雑事

大雪のち雨のち雪(?)(2017.01.27 FRI.)

ここ一週間のあいだに、大雪が降り今日はやや暖かい雨が降って‥‥今週末には☃ マークが付いています。そんな訳で、わが町内の通りはガタガタのグシャグシャ。

何故かって、昨年12月から今年1月今日まで除雪車の出動はゼロ回。新記録です。秋田市に除雪費の追加予算が計上されたようですが、川反通り、すずらん通りには一回だって除雪車がきたことがありません。飲食街よりも住宅地の除雪が先って言いたいのかもしれませんが、川反通りは県外からのお客さんがいらっしゃる所です。

その辺を考えて、一刻も早く歩き易く除雪してほしいものです。
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↑ 旭川の護岸のところどころに、雪の白い三角錐が見えますが、これはご近所さんが家庭用のスノーダンプで雪を運んで川に捨てた形跡です。大量の雪を川に捨てるのは禁止されていす。が‥‥大量に吹き溜まった雪に困って、私もセッセと毎日川に雪を捨てています。

弁解する訳ではありません。家への出入り、通行人の安全の確保のための自衛行動です。見逃してくださいませ。
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ご近所の会社の植え込みにハボタンが雪に埋もれているのを見ました。ホッ。
# by hanatabi-haruko | 2017-01-27 17:08 | 雑事

広島名物ならこれ(2017.01.19 THU.)

宿泊したホテルの道路を挟んだ真向かいが「ひろしま美術館」でしたので、ホテルでひと休みしてから覗いてみました。

展示室のある建物は円形で、真ん中の休憩スペースを中心に、放射線状に四つの展示室に分かれています。鑑賞し終えて、印象に残る絵画をもう一度観たいなら、どの展示室へも最短距離で行ける。む〜これはいいですね。鑑賞者にやさしい部屋割りになっていました。

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第二展示室のロートレック


↓ ゴッホ
 
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第三展示室のマティス


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第四展示室のシャガール


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同じくシャガール。

ポストカードが気に入りましたので、ミュージアムショップで購入しました。


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特別展「美花選」。彩りの少ない冬に、鮮やかな花々を覗いてホッ。


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ポストカードと言えば、美術館でこれも戴きました。

納められた千羽鶴を再生紙にしたカードだそうです。


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メッセージがありました。


そうそう! 広島名物と言えば、

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カキフライに


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カキの土手鍋。


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穴子飯に


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その茶漬け。


焼き具合が気になるので、残念ながら焼き牡蠣はあきらめましたが、宮島では牡蠣丼、カキフライカレーも食べました。
そして、帰りのリムジンバスに乗る前には忘れずに

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お好み焼きに


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マヨネーズをかけて戴きました。


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お土産は牡蠣のオイル漬けです。


広島で人気のあるお酒も、勿論購入しましたよ。

帰りは雪の心配もなく、無事帰ってこられました。
寒波襲来の中、ラッキーな旅でした。
# by hanatabi-haruko | 2017-01-19 13:13 |

広島県の世界遺産・その1(2017.01.18 WED.)

せっかくの休み(遅い正月休み)は、雪から解放されて太陽の下で過ごしたい。
出来るだけ西に向かえばそれが可能であると思っておりました。

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秋田空港では、第一便の翼や機体に着いた氷を熱いシャワー(?)で落とす、出発の準備がされていました。(次の羽田行きの便は欠航になりました)

 
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心配していた羽田空港はドピーカン、順調に飛び立ちましたが‥‥


広島は雪に見舞われているとの情報。大丈夫なんでしょうか? 
私たちが搭乗したひとつ前の便は、広島空港滑走路の除雪が追いつかず、着陸できずに引き返したとのこと。こりゃ大変だ!
わずかの遅れはありましたが、無事広島に降り立てました。ホッ。

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流石に旅行を中止する人もいたのか、広島市内に向かうリムジンバスの乗客は私たちふたりだけでした。


駅で下車、向かった先は‥‥今まで行こうと思いながらずっと行けなかった場所「平和公園」です。

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 ↑ 太平洋戦争終結まであと僅かの1945年8月6日、広島市の中心地に

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アメリカによって原子爆弾が投下されました。


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放射線物質をまき散らす熱風によって、一帯(半径2km)は一瞬にして破壊しつくされたのでした。


全壊を免れた建造物はほんの僅か。永久保存される「ドーム」もそうです。
「今生えている樹で樹齢70年を越すものは無い!」と、タクシーの運転手さんが話してくれたのはショックでした。

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トタン板はひしゃがり、


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並べられていたガラス瓶は高熱で融けてくっつき、


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酒瓶はぐにゃぐゃになり


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印刷物のインクの黒いところだけが炭化し


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幼子が大事に乗っていた三輪車は‥


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置物の福助さんの顔がこんななんですから‥‥


20万人を越える人たちが、水を求め苦しみながら息を引き取ったそうです。

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後遺症に苦しまれた方達は数知れず。


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この他にも、被爆後、何もなかったように一見元気で成長していた少女が、被爆10年後に急性白血病でなくなったことも報告されていました。


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放射線は暫くは地上に留まることが、福島の原発事故でも再認識されていますが、救援、救護活動で二次被爆し、医療の補償もないまま現在に至る方達がいることも知りました。(旅に出る前に、志願して特攻に入隊し、似島や江田島から救援活動に入市した兵士たちの証言をテレビで見ました。大切な予習になりました)

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雪で交通の便の悪い中、若者たちや外国からの見学者も多く見られました。


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平和記念資料館を出て


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慰霊碑前で祈り


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原爆ドームまで行きます。


↓ 多くの遺体で流れがせき止められたと言われる元安川。「元安橋」を渡るころ、雪が激しく降ってきました。

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↓ ドームの裏側に回って見ますと、71年前の黒い焼け跡がそのままです。

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この街の歴史が1945年8月6日で突然終わり、1945年8月6日からまた人々が歩き始めたのだと思いました。そして現在も歩んでいる。

広島市内を走る路面電車にも乗ってみました。
100年の歴史ある市電。被爆三日後には市内を走らせ、人々の復興への希望となったそうです。↓

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ホテルで地元の新聞を見ましたら、


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原爆投下にかかわる記事が掲載されていました。
日常的に辛い歴史を語り続ける努力、覚悟が感じられ、心打たれました。大切なことですね。


33年ぶりの大雪の中、幸運にも辿り着いた広島。
いろいろなことを考えさせられる世界遺産見学となりました。
# by hanatabi-haruko | 2017-01-18 19:34 |

広島県の世界遺産・その2(2017.01.17 TUE.)

寒波襲来で中国地方は混乱していました。
連休二日目16日の朝、ホテルの14階の部屋の窓から雪の街の様子が見えます。

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雪の北国を脱出しようと計画したつもりが、33年ぶりのまとまった降雪に混乱する広島に来てしまいました。

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通勤ラッシュと電車の遅延が重なり、ホームは電車を待つ人で詰まっています。私たちは、それを眺めながら山陽本線を西に向かいます。

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宮島口で下車、フェリーに乗り込みます。


寒気団の南下で 天候は安定しないものの、時折見える青空が内海に映えて、キラキラ。↓

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明るい太陽の光が射し込む船のガラス越しではありますが、こんなにも穏やかな冬の海に出会えるなんて‥‥。
広島まで来た目的のひとつは、島々が点在する風情ある瀬戸内海を体感してみたかったから。まさにここは瀬戸内海の入口。なんて長閑なんでしょう、ホッ。

↓ あれは広島名物「牡蠣筏」かしら?

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おお〜!厳島神社の赤い大鳥居が見えてきました!
鳥居の上も、神社の屋根も白く雪化粧です。↓

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そうなんです。平清盛が信仰し、納経もした安芸の宮島「厳島神社」に来たのです。


気温は低く、雪解けの参道は凍っていましたが、何てったって北国暮らしの私たちです。
雪国仕様はお任せです。ダウンコートに防水ブーツの完全防備が役立ちました。

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なんでも干潮はあさの6時から9時頃までで、


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陸地に近い建物周辺はまだ海水に浸かっていませんでしたが



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段々潮が満ちてきます。アオサギもおちおちしていられません。


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大鳥居は既にすっぽり海水に浸かっています。


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大鳥居まで200mの火焼前。人気の撮影ポイントです。


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ひたひたと潮が満ちて来た様子がわかります。


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能楽堂


回廊

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↑ 雪の浜辺に親子の鹿が。

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↑ 神社の背後の弥山の手付かずの大自然と、鳥居の向こう雪を冠った街とがあまりにも対照的です。
厳島神社の拝観を済ませて、標高535mの「弥山」の近く、展望台まで行ってみることにしました。

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雪に驚きながらも、ロウバイの花の香りが仄かにします。


↓ 紅葉谷駅から榧谷駅、

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榧谷駅から獅子岩駅へ、弥山の原生林を眼下に、ロープウエイを乗り継いで

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弥山山頂が近くに見えるところまで行ってみました。


↓ 天気は安定せず、雪が舞い落ちてまいりますが、

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瀬戸内海に島々が浮かぶ、雄大な景色です。
ほんの入口かもしれませんが、瀬戸内海を実感できました。↓

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榧谷の名の通り、榧の大木が多く見られます。


下りのロープウエイで厳島神社まで降りてまいりますと、神社はすっかり海の中です。引き潮と満ち潮、二つの演出による厳島神社の景色を堪能いたしました。↓

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む〜、半日がかりで広島にある世界遺産のひとつを楽しみました。
雪にもめげずに。
# by hanatabi-haruko | 2017-01-17 20:56 |