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夏花(なつばな)(20011.06.30 THU.)

3週間程前の新聞で(朝日新聞6月4日付けbe版)、詩人で俳人でもある 高橋 睦郎 さんが「季語にはなっていないが『夏花』というのがある」というようなことを書いておられました。

いままで、夏の花をさほど気に留めることもありませんでした。
春に色彩豊かな花が一斉に咲き騒がれますが、その後は花の印象が薄いように思います。
派手さはないけれど、身近にはこんなに咲いているというのにです。

         ↓ お茶にもするというドクダミ、触れると匂いがちょっとキツいかな
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         ↓ 可憐な花のユキノシタ
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          ↓ 南天の花の蕾
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          ↓ スイカズラの花と テッセンの花後のカザグルマ
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          ↓ ヤマボウシ。今年はヤマボウシの当たり年なのか、花数が多いように見受けます。 
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いずれも我が家から半径10メートルたらづのところに咲いていました。神社の木陰であったり、駐車場のそばの空地だったり、お屋敷の庭木だったり‥‥そしてなぜか、白色が多いように思います。

早速、季語として使わせていただき、お店の張り紙には、こんな下手なうたを書いてみました。

  白色(しろ)目立つ 夏花のころ 冷やし酒      ‥‥お粗末でした

お勧めのお酒を紹介する張り紙ですが、俳句のたしなみのない私は、
季節を感じる言葉をさがして、毎回苦労しています。
下手でも書かなければ人の目にはとまらず、販売につながらない。
辛いところです。

目を留めて、「書いてあるお酒ってどれですか?」なんて聞いて下さる方がいようものなら、心の中で思わずガッツポーズをしてしまいます。

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初物のとうもろこしを頂きました。
瑞々しい黄色の粒が詰まっています。
電子レンジでチンして、がぶりと頬ばるか‥‥?
はたまた上品に一粒づつはづして口に運ぶか‥‥?

御馳走さまです!
# by hanatabi-haruko | 2011-06-30 10:23 |

豆台風(20011.06.27 MON.)

23日から24日夜半にかけて降った集中豪雨で、家の裏の旭川が増水していましたが、ここにきてほぼ収まりました。

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濁流が勢い良く流れるのをじっと見ていると、まるで早瀬を小舟で流されているようです。


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集中豪雨前には川底が一部見えていたましたが‥‥梅雨が上がれば、また顔を出すのでしょうか。


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母親に送られて、久しぶりに孫が遊びにきました。
自作自演で歌い踊り、読めるはずがない楽譜をめくらせて、ピアノの鍵盤をたたき。


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  画用紙いっぱいにりんごを描き



店中走り回り、おやつを食べ、2時間あまり動き続けて飽きたのか、「ママ~!」と言って帰っていきました。
ふたりが交替で相手をしても、クタクタです。

b0226219_10202261.jpg入れ違いに千葉県の友人Sさんから、懐かしいビワが届きました。
実家の庭にも甘い実のなるビワの木があって、この時期が待ちどおしかったのを思い出しました。
故郷の味覚をありがとう!お墓参りの時には、またお会いしたいです。


夕食に間に合うように、孫達にお裾分けを届けましょう。

小さな豆台風は話の種をいっぱい残していってくれます。
でたらめ(?)の歌のおかしさ、
かくれんぼの鬼になり、見つけたときのはしゃぎよう、などなど。

グランパ、グランマの緩衝剤(?)潤滑油(?)。
しばらくは孫の話で、無条件に笑えます。
また来てね!
# by hanatabi-haruko | 2011-06-27 10:26 |

ギリシャを縦断する旅 2(2011.06.24 FRI.)

当初、旅の予定には入っていなかったスパルタでしたが、
「スパルタには行くんですよネ」と、事前に添乗員さんに質問(?)すると
「ほとんど何もありませんよ!(それでも行きたんですか?)」と、逆に覚悟を問われました。

半ば諦めていたのですが、近くのミストラがコースに入っていたこともあってか、スパルタ遺跡見学が実現しました。

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スパルタの平城跡。強力な軍隊を誇る都市スパルタの(固い守りの)自負の程が伝わってきます。
遺跡の向こうはオリーブの林。町の向こうに遠く雪のタイゲストス山が見えます。


そもそもトロイア戦争の発端は、スパルタ王メネラオスの妃、絶世の美女ヘレネがここからトロイアに連れ去られたからと、語られています。
今はなんにもなくても、外せない遺跡のひとつです。
それにしても盛者必衰の理‥‥夢の跡でした。でも感激です。

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ミストラのギリシャ正教教会近くに咲
く可憐な花たち。


紫色の可愛い花でしたが‥‥野に咲く花の名前を知りたがるのは、どうやら日本人だけのようです。
「歴史のライセンスは取得してますが、植物は専門外です。」と、現地ガイドさん。
「花」だけで充分と考えるようです。
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↑羊飼いと羊の群れの移動を、平原に見ることもありました。

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↑ ミュケナイ。
トロイア戦争のギリシャ側総大将、悲劇のアガメムノンの城があったところ。ミュケナイ文明が栄えた場所で、出土品も多い。

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遠くからそれと分らないように、
この小さな裏門から夜陰に紛れて
トロイアに出陣したとか。


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       アーモンドの花咲く、コリントス遺跡。

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パルテノン神殿のあるアクロポリスの丘から下を覗くと、円形野外劇場など多くの遺跡が点在している。


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↑ アテネ市で一番高い丘、ルカビトスの丘。
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↑ アテネ市からそう遠くないスニオン岬。岬の突端に建つポセイドン神殿跡。

2月下旬というのに、陽光かがやくエーゲ海の水はぬるみ、水泳をする気の早い人も見受けられました。
こんな穏やかな海が、冬には偏西風で大荒れするというのです。
例え戦争中と言えども、双方の船団の被害があまりに大き過ぎる為、「冬期停戦」したと伝えられています。

遺跡から遺跡へ、オリーブの林や荒れ野を見ながらバスで移動する強行軍の旅でした。

ギリシャと言えばエーゲ海。優雅なエーゲ海クルーズなしのギリシャ旅行なんて‥‥、と思うのが普通かも知れません。
それなのに、ギリシャを深く知るディープな旅を企画し、成立させてくれた(申込者が少なくて成立しない企画もあるようです)、ギリシャ好きの添乗員Hさんに感謝しています。
そして、ギリシャファンの同行のお仲間にも恵まれて、たっぷりギリシャ神話の世界に浸れた、想い出深い旅でした。

2月の旅の興奮も醒めやらぬ翌月、この旅を最後に3月末日をもって旅行会社を退職する旨の挨拶状が、Hさんから届きました。
Hさんにとっても想い出に残る旅になったかしら。
                                                                                             おわり
# by hanatabi-haruko | 2011-06-24 16:24 |

ギリシャを縦断する旅 1(2011.06.23 THU.)

ギリシャ本土をバスで北から南に移動して、ギリシャを丸ごと体感した正味11日間の旅の話です。

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ちょっと分りづらいですが
赤丸は宿泊し見学した場所
緑丸 は見学した場所です。

(アテネで購入したミシェランの地図。70000分の1)
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↑ ギリシャの北の要、早朝のテッサロニキ港。エーゲ海に繋がっている。

テッサロニキでは時ならぬ雪に見舞われたものの、その後は晴天続き。
地中海(エーゲ海とイオニア海)に挟まれた土地ならではの明るい陽光の中、ギリシャ神話を思い浮かべながらの旅でした。

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ギリシャ正教の聖地のひとつ。メテオラの断崖絶壁の僧院 は、世俗からは勿論のこと、麓の町からも隔絶した厳しい修行の地。


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デルフィーの博物館を見学。アポロンの頭部と金の装飾品や


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         アポロンの双子の妹アルテミスも。


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味方の勝利を知らせるために馬車を奔らせる青年御者の像。
頭のてっぺんからつま先まで完璧な美しさーーイケメンです。

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デルフィーはギリシャの中心。大地のへそ「オンファロス」です。


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2004年にアテネオリンピックが開催された翌年だったこともあり、コリントス湾に橋がかかり(ギリシャで唯一の大きな橋)ペロポネソス半島に行きやすくなったとのことでした。
オリンピアに行く手段は、以前は船だけだったそうです。
白い三角の吊り橋の向こうに見える雪山は、ペロポネソス半島のパナハイコ山。

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オリンピック競技誕生の地オリンポス。ゼウス神殿や競技場、選手の訓練所など沢山の遺跡がある。
ヘラ神殿跡では、オリンピックのたびに、聖火が採取され灯される。


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南下しながら1週間経つうちに、遺跡に咲く花が増えていくのが目に見えてわかります。


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ギリシャ正教の教会が村外れにポツンと建っている。



一見どこも同じような遺跡に見えるけれど、「イーリアス」や「ギリシャ悲劇」の登場人物を思い描けば、それぞれの物語が見えてきます。
あぁ〜、何千年前と同じ景色を見、同じ風を感じて、今ここにいるんですね。
                                        つづく
# by hanatabi-haruko | 2011-06-23 14:53 |

10番目のムーサ、サッフォー(2011.06.22 WED.)

ホメロスとほぼ同時代を生きた女性詩人がいたことを知ったのは、ギリシャ旅行の少し前でした。
名前はサッフォー。(サッポーとも言われます)

芸術を司る9人の女神たちを、ギリシャ神話ではムーサ(ローマ神話ではミューズ)と言いますが、詩作の才能に恵まれたサッフォーは「10番目のムーサ」に数えられるほどだったようです。

今から2500年以上前の女性詩人が、どんな詩をうたったのかと言いますと‥‥

        山峡に 羊飼いらの足に踏まるも
        なお土くれに 紫と咲く
        ヒアシンスの花のごとくに‥山峡(やまかい)

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遠く雪のオリンポス山がそびえるデュオン遺跡に、地面に這いつくばうようなヒアシンスの花。
遺跡に咲く花の中にヒアシンスがないか?足元ばかり見ていました。
ありました!
寒風に吹かれ、青空の下、誇らしげに咲いていました。

        夕星よ 光をもたらす暁が
         散らせしものを そなたはみな連れ戻す
         羊をかえし 山羊をかえし
         母のもとに 子をつれかえす‥夕星(ゆうづつ)

 
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宿のテラスから見えるナフプリオンの夕焼け空。
随分長い間、凪の湾内を染めていました。
陽は沈みまた昇る。繰り返される日々の営みを慈しむような、
子を抱く母のふところのような詩です。
(名訳者ー北嶋美雪さんの力も大きいです)

また、男性(アルカイオス)から恋の詩が届けられると‥‥
 アルカイオス‥むらさきの髪匂おう いときよらな
           やさしくほほえみたもうサッフォーよ
           君にもの言わんとすれど 羞恥の心の
           われをとどむれば‥‥ 
サッフォー‥‥もし君がその胸に ただしく
           うるわしき憧れを秘めたもうならば
           またなにか 卑しきことを口にしようとて
           その舌がたくらみ動くのでなかったら
           羞恥が君の眼に宿ることなく
           希うところをすぐなるままに
           言い出でたもうでしょうに。 ‥羞恥(はじらい)

オドオドした恋文に対し、なんと堂々ときっぱりとした返し文でしょう。

一児をもうけた後、夫は早逝。その後主催するサロンで、若い女子の教育に熱心だったことから、レスボス島生まれのサッフォーに(レズビアンの元祖みたいに)偏った評価が定着しているのはちょっと残念です。
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↑神話に魅せられて旅したギリシャ‥‥デュオン遺跡から遠く神々が住むと言う
雪のオリンポス山を望む。

ところで、ギリシャ神話を読んでいると、『神』と『人間』との決定的な違いを認識させられる形容詞があることに気づきます。
「神は永遠の命」
それに対して人間には必ずと言っていいほど「死すべき人間」と念を
押すように、形容詞「死すべき」が繰返しつけられています。

ギリシャ彫刻の完璧なまでの美しさは、「オリンポス山の神々は完璧」だから、人間が美しいのは神に似せて創造されたからと伝えられています。

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↑パルナッソス山の近くのデルフィー、険しい高地にあるアポロン神殿の遺跡。まだ2月だというのに、抜けるような青空の下、遺跡は野の花で装われていました。

姿形や才能は女神にも劣らぬとも、10番目のムーサ、サッフォーは「神」ではなく限りある命の「人間」です。

サッフォーの『詩』が(人間の)心を打つのはその為なんですね。
# by hanatabi-haruko | 2011-06-22 10:54 |