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早春の目眩(2016.02.26 FRI.)

目の回るような、公私ともに忙しい2月です。
見栄を張るようですが、年末年始の忙しさを引きずったような2月でしょうか。
以前ならば需要の少ない静かな月、2月なのですが‥‥。

振り返れば40代のころも若さに任せてよく働きました。
あのころの忙しさは今よりは単純だったように思います。
大量の配達、日本酒に関係する会の開催、他県に赴いての研修等、それに子育ても。
それでも、気力体力が忙しさに追いついていたように思います。

力仕事が多かった所為か、椎間板ヘルニアの手術で2回の入院など、夫はよく身体を壊しました。一方、生まれつき丈夫な私。疎開先の富山県八尾で、お産婆さんに取り上げられた私は、堅太りの手足をバタバタさせて‥‥高齢出産だった母は「元気な子で良かった!」と何回も言っていたと、兄から聞きました。戦後の混乱期に結核でなくなった母。わたしが元気で生まれたことが、母にできた唯一の親孝行だったかな?   

1月の小旅行後に体調を崩した経緯のある私ですが‥‥自慢じゃありませんが、2日間で自力復帰できました。酷くなる前に身体が自己防衛するちゃっかり型の人間です。

2月中旬、今度は夫が体調を崩しダウンしました。累積された疲労が原因のようです。
夫が休んでいる間にも、予定していた事務所の壁の張り替えがありました。業者さんに頼めば大事になると言う事で、プロ級の腕を持つH君の指導のもと、娘と私が手伝い一日がかりで塗りあげました。ふ~!   

通院しながら、ようやく目眩が収まり元気が出てきた夫。いわく、
「今まで、(健康な)君が居たから(家業が)出来たのかもしれない‥」
私は謙虚さを忘れてついつい本音で、
「そうでしょうとも!」と言いそうになり、慌てて言葉を呑みこみました。
ヤバいヤバイ!危うく厭みを言うところでした。

何とかしようとがむしゃらになるタイプの私です。寝込んだり入院したりすることもなく、身体が辛かった想い出が浮かびません。自然体でそうしてきたに過ぎませんが。健康に生んでくれた母にこそ感謝したい気持ちです。

このところ忙しいと感じるのは、私たちが歳をとった所為もありますが、それだけではないし、20~30年前と忙しさが異なります。電話ででも、来店されたお客さんからも、酒質について質問されることが多く、商品説明に時間がかかります。どうしたら上手に説明し、興味をもってもらえるのか?考えながらの日々です。
酒蔵からは次々と新しい商品がリリースされますので、商品知識を吸収することも必要です。

秋田の日本酒をリードする人たちがいて、時代の中で仕事が途切れなくある。
新時代を切り開いてゆく酒蔵の存在があってこそ、わが家業が成立っていると言えましょう。
有り難い事です。
そして、この歳になっても元気で働けることが、なにより幸せです。

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早春の花「ラナンキュラス」

秋田市、雪は夜に降って積もり昼間日が射して解け、積雪ゼロに近い状態です。
今後、大雪の心配はなさそうです。
今年は春の目眩が早く始まっている。のかな?

 
by hanatabi-haruko | 2016-02-26 14:22

乱調(2016.02.17 WED.)

14日日曜日、10℃近くの気温、大量に降った雨で上流の雪解けが促され、旭川は濁流で増水しました。
お陰でもともと少なかった秋田市内の積雪は、一旦0になりました。

積雪前提の秋田の冬の行事‥犬っこまつり、かまくらまつりは気まぐれ天気に振り回されたようです。

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16日、一転この冬初めての真冬日になり、途切れなく雪が降りました。

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一晩中降った雪。17日朝には20センチ近くの積雪となり、平年の2月並みの雪景色です。

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開店前、店の回りの雪除け作業に時間がかかりました。

そして昼頃には日も差して気温はプラス1℃、春を思わせる明るさです。

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ところで、今週末には再び気温が上がり雨が降る予報です。
目まぐるしく変わる天気に季節を捉えきれず、振り回されています。
三寒四温にはちょっと早過ぎる、乱調の2月です。
by hanatabi-haruko | 2016-02-17 13:39 | 雑事

プログレッシブ?(2016.02.13 SAT.)

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ご近所のココラボラトリーで昨日から始まった『北の野生 プログレッシブ』田村 一さんの作品展を覗いてみました。(ポストカード)

 
プログレッシブ‥‥転がる石に苔は生えずと言うけれど、普遍性に安定をもとめず絶えず進歩する。プログレッシブ・ロックなど。

器を求める時、身近に使って愛でたいのか?はたまた刺激を受けたいのか?で選ぶ基準は替わるけれど、最終的には好きか?嫌いか?で決める事になる。

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私の好みは‥‥繊細で


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お洒落で


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ゴージャッスで


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遊び心のある可愛いもの。
どれもいいな〜!


少し違和感を感じるくらいが、錆び付いた能細胞を刺激して活性化するというけれど、

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愛おしむように掌の中にある蕾形の花瓶や


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不用意には蓋を開けたくない繊細過ぎる香露


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花形の器をそっと持っているちょっとグロテスクな手も



ショッキングで面白い。言われてみればそうですね。
どんな発想で制作したのか?思いを巡らすと楽しくなります。

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普段使いにはやっぱり馴染みのある形のものを選んでしまう。

忙しい中で乱暴な扱いをする日常、使い勝手のよい安定性を求めているからかもしれません。


気に入った器を、他人(ひと)の作品に探すのではなく、感覚を研ぎすませて自ら造り出せたらどんなにか素敵だろうか。
創作者の生みの苦労も知らずに、勝手なことを言いました。

作品展は21日までやっています。もう一回行ってみようかしら。身体中の細胞を目覚めさせるために。
by hanatabi-haruko | 2016-02-13 09:58 | 雑事

兄の覚醒(2016.02.03 WED.)

↓ 兄が入院している広尾にある病院、10階病棟からの眺めです。

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写真右端に見えるガラス張りのデイルームからは、更に素晴らしいパノラマが楽しめます。
渋谷駅そばのビルの谷間には、プラネタリュームの丸屋根 が確認できます。

2月1日 am 8:30、頸椎の手術のために兄は手術室に入っていきました。
幾つかの持病を抱えているので心配しましたが、pm 1:00に手術は無事終わり、ICU管理室で麻酔から覚醒しきらない兄に面会できました。

翌2月2日、早くも一般病棟に転棟したとの知らせを受けて、am 10:30 ころ病室を訪ねると、24時間以上経っているのに、未だ意識がはっきりは元に戻っていないようで視線が定まりません。こんな事もあると事前の説明があったそうだが少し不安になる。妹だと声を掛けると、それは分るらしい。

「ここは何処か?」と聞かれて「10階の病棟」と答えても、「聞いているのはそんな事じゃない」と言いたそう。満足していない様子で、しきりに目を動かしている。
耳も聞こえにくく視野も狭くて、正面に立って顔を見せて言葉を選んではっきり話さなければ、伝わらない。

それ以外も何か聞きたそうだけれども、質問が声になって出てこない。
やがて少し疲れたのか、目を閉じイビキが聞こえて来る。
看護士さんに、「昼間から寝てしまうと夜寝られませんよ!」「どんどん声をかけて話しをするようにして下さい!」と言われる。

昼過ぎ、気分を換えるために車いすで散歩することを看護士さんが進めてくれると、両脇から身体を支えられてはいるけれどしっかり両足を踏ん張って立ち、車いすに移動できた。一安心。
デイルームまで行き、渋谷区のパノラマが目に入ると、プラネタリュームの丸屋根 が気になり何か伝えたそうだけれど、言葉にならない。

その日仕事が休みだった息子が来てくれて顔を会わせる。
首が思うように回らない兄の視界に入るよう、息子はやや前に腰掛け長い手足を組んでゆったり寄添う。
「◯◯君、あれはプラネタリュームだよね、‥‥‥‥。」「うん、そうですね。」そこまで言えてもその先に進めない。何度も何度も同じところで言葉が途切れて、成立たない会話が繰り返される。
「◯◯君(その先が話せなくて)ゴメン!」「ううん、大丈夫(ゆっくり考えて)。」兄は一体どの辺りを彷徨っているのだろうか?
せっかちな私はああでもないこうでもないか?と先回りして推測するので、かえって兄のペースを乱してしまって不満そう。そこを息子がカバーしてくれたのが有り難い。私はツーショットを、暫くの間後から見守っていました。

やがて「お兄さん、そろそろ秋田に帰る時間なので‥」と伝えると、「あ、そうだね。君は遠くから来ているんだよね」と私を気遣ってくれる。

病棟に戻った時、兄が
「あ、そうか!一番最初は12階だった。高い見晴らしの良い所(からプラネタリュームの丸屋根 を見たんだ)」
「あ、そうだったの!」
「そう、空き部屋がなくて金額の高い個室に一日だけ入って、看護士さんが気の毒がってね」
兄は身体の自由が効かなくなった日に、検査のため通院するはずの病院に、緊急入院したのでした。
そう言えば、一般病棟では支給されない洗面セットのポーチがあったわけに納得です。ポーチを戸棚から出して渡すと、兄の顔がみるみる表情豊かになって我が意を得たりの得意顔に。
それからは記憶がどんどん繋がって‥‥、
「それから7階七五三に移って(753)。」ここでも窓の外のパノラマにプラネタリュームの丸屋根 を見ていたのを思いだしたのです。
そして今いるのは10階。病棟から当然見えるプラネタリュームの丸屋根

プラネタリュームの丸屋根 が覚醒を促すキーになって、それを何度も見たわけが兄の頭の中で繋がって、兄は今の時間を取り戻したのでした。

無表情だった兄の顔がぱっと明るくなり、表情筋を思いっきり動かして笑顔になってくれました。良かった!このまま記憶が曖昧になってゆくのかと余計な心配してしまいました。ああよかった!

兄は自分自身の頭で考え、文章にする事をずっとライフワークとしてきた人です。自分が納得するまで聞き返し、安易な妥協をしない兄の生き方は、介護される側になった場合には看護士さん泣かせです。やり取りを見ていてハラハラします。
どうかそのへんをご理解下さいますよう(無理かな?)よろしくお願いいたします。
帰り際には、高齢者とはとても思えない力強さで長〜い握手をしてくれました。

若いころはスポーツマンで頑健だった兄でしたが、ここ何年か入退院を繰返し、
手術前日に会った時には「これが最後の手術にする。」と言っていた事が寂しく気になりました。
限りのある時間を大切にしようと、私の覚悟を促されたお見舞になりました。
また会いにいきますネ。
by hanatabi-haruko | 2016-02-03 20:43 | | Comments(0)