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『佐竹本三十六歌仙絵巻もの』(2014.11.24 MON.)

鎌倉時代に描かれたといわれる「三十六歌仙絵巻2巻」が、且つて旧秋田藩主佐竹家に存在していたことはご存知と思います。
大正時代に財政的な理由で手放し、断簡さればらばらになってからは絵巻物としてのボリュームは二度と体験できなくなってしまいました。
そして切り離されて売られた絵は非公開の個人蔵も多く、観賞するチャンスは極端に少なくなっております。(全て重要文化財)

絵巻物は断簡される前に模写し木版画が起こされたようです。
更にそれを印刷したものが、国民文化祭が秋田で開かれるのを機会に、千秋美術館に展示されておりました。
模写でもいいから巻物としての全体像を観てみたいとおもっておりましたが、うっかり見逃してしまいがっかりしていました。
今回、土崎にある秋田北部市民センターで「三十六歌仙歴史美術愛好会」さんが企画され、展示されているとの情報を得て行ってみました。

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展示テーブルの上に広げられているのが、模写された木版絵巻ものの印刷物。(撮影禁止でした)
「三十六歌仙歴史美術愛好会」の会長さん佐藤 佳紀さんの説明を伺いました。


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秋田市出身の絵師、土屋 秀禾(1868~1929)が数年かけて精密に模写し、木版画にされたようです。


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昭和59年にNHKから出版された『秘宝 三十六歌仙の流転ー絵巻切断ー』では、馬場あき子氏が和歌の解説をされています。



以前から『佐竹本三十六歌仙絵巻』に興味を抱いていた夫は、展示されている美術館があれば訪ねておりました。(本家本元の秋田に、断簡の一つも存在しないのは残念なことだと、夫は申します。)

今までに「源 順 」はサントリー美術館で。「平 兼盛」 はMOA美術館で。「小野 小町 」と「壬生 忠峯」 は東博で、本物を観る機会がありました。
三十六歌仙中、女性歌人はたったの5人。女性歌人は勿論のことですが、残り31人の男性歌人の顔や装束を描き分ける絵師の技量は素晴らしいものです。
男性歌人の肉筆画は‥‥少々弱気で好色な眼差し。表向きは穏やに見えるけれど殿上人の誇りは手放さないしたたかな人物に描かれ、公家貴族の特徴を繊細に表していて思わず身震いしたものです。

今回の展示物は模写の版画ですので人物表現に限界はありますが、色彩と衣裳の繊細な模様は素晴らしいものでした。なにより佐藤 佳紀さんのレクチャーを個人的に受ける事が出来たことはラッキーでした。

参勤交代で藩主が江戸に赴いている間、鮮やかな唐紅の衣裳を纏った女性歌人がちりばめられたこの絵巻物は、雪国の薄暗い冬にどんなにか美しく映え、奥方たちを慰めたことでしょう。

奥方から奥方へ、何代か大切に受継がれた『佐竹本三十六歌仙絵巻』は、やがて大正時代の奥方が亡くなって間もなく、売りに出されたという経緯のようです。

美術品そのものの美しさは一番の魅力です。が、誰の手に渡りどんな風に愛でられたのか?絵巻物の全体像がわかり、時代背景に思いを馳せ想像を膨らませて見ますと、尚一層深く感じるものがありました。
佐藤 佳紀さん、ありがとうございました。

チャンスがあれば、これからも本ものの肉筆画を探して観てみたいものです。
by hanatabi-haruko | 2014-11-24 15:16 | 雑事

「忘れる」ということ(2014.11.21 FRI.)

我が家の菩提寺のご住職さんは、日曜祭日以外の毎月(義母の)命日にお経をあげにきてくださいます。
夫を早くに亡くした義祖母が信心深かったということもあり、寺との関係が築かれて習慣化しているからでしょうか。

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シクラメン・クラシカルドレス。先日この季節のフラワーショウがありました。


盆・彼岸のお墓参りの準備、仏壇の用意は私の仕事になっていますが、「家業が忙しくて‥‥」を口実に、ご住職さんがいらしても同席して仏壇に手を合わせることは特にはいたしません。
そんな不信心ぶりを咎められることもなく許されており、有り難いと思っています。
「出来ることをすれば良い。」は、先代のご住職さんが教えてくれました。

お勤め後お茶を飲みながらの世間話だけは、私たちも楽しみにしております。
ほぼ同年代のご住職さんとはざっくばらん、忌憚のない会話で盛り上がります。

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季節の花「ポインセチア」


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不信心者の私の悩みと言えば、亡くなってからもう30年40年以上経つ義母、義祖母、義父の「年忌法要」を忘れず数えることでした。
何年か前、「菩提寺さんでコンピューター管理して、予め教えてくれると助かるんですが‥‥」と世間話の中で打診したことがありました。
法要の時期を親切(?)に知らせる寺院ビジネスがあることを、聞いた事があったからです。

ご住職さんの返事は意外なものでした。
「覚えているうちは必要だからで、忘れた時が終わりです。」

なんて理にかなった答えでしょうか。
「え?それでいいんですか?」と聞き直すことを止めました。
<型式に囚われずに、気持ちに無理せず、自然体で生きてゆけばいい。>
お釈迦様のお墨付きが出されたようで、うんと楽になったことを覚えています。
以来、忘れる事を恥じたりしなくて済むようになりました。

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デルフィニュウム


もともと私の脳みその許容量はう~んと小さくて、新たに何かを覚えようとすると非常な努力が必要ですし、せっかく覚えた物でも使わずにいるうちに忘れてしまったものも沢山あります。
(我が家の小さな冷蔵庫の中身は、日に3食分を作る度に見ているので食べ忘れた食材はめったにないけれど‥‥年に1、2度しか使わない物は、何処に仕舞ったのか思いだせない事はしばしばです。)

そして長く生きていると、過去の辛かった事の多くは効率よく(?)どんどん忘れていっていることに気がつきます。
「ボケが始まったのか?」などと思い煩うことなどありません。忘れるからこそ穏やかに生きられるのかもしれません。

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我が家のシャコバサボテン。
今年は例年より早く咲きそうです。

 
自分にとって都合の悪い事は忘れる。
それは身体に優しいこと、自己保身なのかもしれません。

認知症も怖くない!この無責任さ、 どうぞお許しを!
by hanatabi-haruko | 2014-11-21 19:58 | 雑事

お香を楽しむ(2014.11.13 THU.)

日没には少し早い午後4時過ぎ、外はもう薄暗くなっています。

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気温は本日の最低気温4℃。
ついに霰(あられ)が降ってきました。


いかに週末近いと言えど、こんな天気の良くない薄ら寒い夕方に、川反に繰り出す人は多くはありません。ゆっくりしています。

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昼間に届いたお香セット。
上は、新しい香りが沢山揃っているバージョン。
ほんのちょっと香りが欲しい時に重宝しています。
Kちゃん、ありがとう!

 
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こちらは京都の「匂い袋」。
衣類などにほんのり香りをつけるために、箪笥や引き出しの中に入れます。
Iさんからずいぶん戴きました。


「香道」といって、5種類の香りを利いて、何通りの組合わせなのかを当てる遊びなどが、古くから京の都にはあるそうですが、香り音痴の私はたぶん外れまくるでしょうね。

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選んだのは「オータム・トワイライト」
正に、<時は秋、夕されば‥‥>のこの時間帯に相応しいかも。
何となくぼーっと嗅いでいるのが好きです。


<我が家では一番の健康体>を自負していた私が、東京で「鬼のかく乱」の失態を演じて迷惑を掛けたのが4日前でした。なんとか元気になりました。

息子は「上京し、帰省した母が倒れる」→ 小津安二郎の古い映画「東京物語」のストーリーが頭の中でコマ送りしたそうです。(上京して、子どもたちと過ごした母が帰省後まもなく亡くなる。子どもたちのそれぞれの対応がストーリーだったように記憶しています。)
大丈夫ですよ。
今は、体力を温存して『師走』に備えましょう。
by hanatabi-haruko | 2014-11-13 17:25 | 雑事

東京国立博物館『国宝展』(2014.11.10 MON.)

東京国立博物館(東博)で、国宝のみ120点を展示する企画が開催中ですので、前期展示に行ってまいりました。

10月半ば京都に行きました時にも、京都国立博物館で国宝展が開催されていましたが、70分待ちの長蛇の列を見て早々に諦めました。何と言っても、夕方からの「酒の会」が一番の目的でしたから。

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(京博)限定の「鳥獣戯画」カレンダーと風呂敷は、嬉しいことに戴きました。
京都のFさん、いつも素敵なものをありがとうございます。


国宝と聞けば興味が沸くのは皆同じです。
そんな訳で東博は是非ともと、今回は並ぶ事を覚悟で、満を持してこの展示会の為だけに上京いたしました。

ところが、物ごとは思っている通りにはゆかないものです。
前日当りから、足の付根に軽い傷みを感じ始め、忙しかった週末土曜夕方には上京できるのか?心配になりはじめました。
朝一番のフライトですので午前5時には起床しなければということもあり、グッスリ寝た実感のないまま日曜日がスタートいたしました。

東京国立博物館『国宝展』は前期最終日ということもあり、予想通りたくさんの入館者です。国宝の展示物は薄暗い照明でガラスケースの中ですので、観察するには根気よく並んで最前列で見るしかありません。
第一展示場を回るのが精一杯。第二展示場は諦め、夫が見終わるのを休憩椅子で待ちました。
連絡すると息子が来てくれ、昼食を軽く済ませ早めにホテルにチェックイン。

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上京した証拠に一枚だけ写真を撮りました。万世橋から見た神田川。
高架になっている中央線の引き込み線がレトロです。東京もここまで近代建築で溢れると、こんな景色が好まれて積極的に利用されているようです。


少々疲れ気味の夫と息子もつき合ってくれて、午後に予定していた「チューリッヒ美術館」の見学を取りやめてホテルでひと休みです。
私は自分の事だけ考えて、3時間あまりひたすら爆睡いたしました。

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国宝「膳財童子立像」

 
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左、国宝「土偶(合掌土偶)」。右、「土偶(縄文のヴーナス)」。いずれもポストカードです。


薄暗い展示室で、童子像や縄文の大らかな土偶が私に優しく語りかけてくれました。
彼らに出会えただけでも来てよかったかな。

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長い昼寝から醒めて、あまり食べられなかった夕食後に食べた「ピオーネ」。
最高に美味しいデザートでした。


興味を抱けば強行軍も厭わない。
それもそろそろ出来なくなってきたかな?
夜も丸7時間ほど熟睡し、秋田に戻ってまいりました。

今回の東京行きは何だったのだろうか?
家族には心配かけたけれど、日頃の疲れを取りに、静養しに行ったようなものでしたね。
 あっはははは! あ〜あ。  ま、いいかぁ〜。
by hanatabi-haruko | 2014-11-10 14:09 |

秋深み(2014.11.06 THU.)

近くの小公園の欅が、強風で随分葉を落としました。
若葉のころも、紅葉のころもいいけれど、木の枝の向こうに青空が見えるのもいい。それぞれの季節に相応しい、素敵な演出を見せてくれます。 ↓

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大量の枯葉が枝を離れて、眺めも変わりました。


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古くからある<水汲み場>。
急な石の階段を、水辺までカサコソと枯葉を踏んで下りてみました。


葉が枯れて枝を離れるのは、乾燥の季節に木幹の水分を担保する為だとか‥‥。
遥か昔から植物が繰り返して来た、理にかなった営みに感心するばかりです。

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岐阜に住む<旅友>が、今年も「富有柿」を送ってくれました。
直径10センチもある大きな柿、大好物です。御馳走さまです。



お礼の電話で言葉を交わし、お互いの元気を確かめ合うのが毎年この時期の楽しみになっています。

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干し柿が益々甘みを増して、美味しくなりました。
今が食べ時です。




秋は深まります。

 

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こんな素敵な写真パネルをいただきました。↓

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旭川に架かる3丁目橋、4丁目橋に施されているイルミネーションが、川面に映ってこんな風に見える場所があるそうです。
通行する人から教えられ、施行会社のカメラマンが苦心の末に撮影したそうです。こんな素敵な発見もあってか、イルミネーション点灯は協賛会社のご好意で12月クリスマス当りまで延長されました。

クリスマスイブ、「ハート」のシチュエーションで気分が盛り上がればいいですね。
ふらりとお出かけくださいませ。
by hanatabi-haruko | 2014-11-06 15:51 | 雑事

八橋土人形(2014.11.01 SAT.)

ご近所の催事場<ココラボラトリー>で、今「八橋土人形」の展示がされていますので、覗いてみました。

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「八橋土人形」は200年以上の歴史があるようです。
人形店が最も多かったのは明治時代で、盛んに人形が競い造られ今に伝えられております。
昭和17年には3軒になり、ついにはたった一軒になった人形師の道川トモさんが残念な事に、今年亡くなりました。
後継を目指す方はいらっしゃるようで、その方の発案で今回の展示に至ったようです。

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豪華な「お雛様」も飾られています。

 
「八橋土人形」で最も一般的なのが「おでんつぁん」です。
「おでんつぁん」とは、天神様のこと。菅原道真さんのようです。
男の子の節句に飾られる他に、農作業が始まる(種まき)頃にも飾る家があったようです。

我が家にある「おでんつぁん」です。↓

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左大臣、


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右大臣とセットで飾るのが普通のようです。


我が家の土人形は比較的に整ったお顔立ちですので、道川トモさんの型でつくったものではないようですし、素性ははっきりいたしませんが、その他にもいろいろなものがあり、それが結構楽しいんです。

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右手が欠けていますが、なにやら憂いを秘めてうつむき加減の少女の人形。

半歩前に出した右足で僅かに裾が翻り、残った後ろ足が緩やかな曲線を描いて、動きのある姿勢が暗いイメージを払拭している‥‥計算された造形が凄いですね。(勝手に深読みして楽しんでます。)


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こちらは手まりで猫と遊ぶ乙女かしら。
すり寄る猫、凛とした乙女。表現力が優れています。
着物の柄や色彩も美しく、見ていてあきません。


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どんな意図でつくられたのか?若い女房のおめでたを喜ぶ初老の夫でしょうか。
なんとも可笑しな素朴な土人形です。


この他にもバットとグローブを持った野球帽の少年や、猿犬雉子のお供を連れた桃太郎などがあり、その昔、部屋に飾って日常生活を楽しくしてくれただろうと想像します。

展示場の一画では、道川トモさんが残した干支の動物の形に絵付けできるコーナーがありました。
来年は「未(ひつじ)」、私も真っ白なひつじの土人形の絵付けに挑戦してみました。
(拙い出来ながら、来年になったらお目もじさせたく考えているところです)

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鉢植えの植物が紅葉しました。

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ウツギ。紅葉に花が狂い咲きです。


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朝晩の冷え込みに、ミニもみじもきれいに染まりました。


今日から霜月、高い山からは雪の便りが届くようになりました。
by hanatabi-haruko | 2014-11-01 20:42 | 雑事