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あれから2年経って(2013.03.12 TUE.)

3月11日を前にして、2年前の大震災を検証する番組が、報道機関各社で特集されました。

被災当事者にとっては、報道されようがされまいが、到底忘れられる体験ではないと、お察しいたします。
一方、同じ東北圏内に住んでいても、知り合いに被災された方がいるという私は、何度も繰り返し報道されなければ、この先、次第に関心が薄まっていくのだろうと、申し訳ない気持ちです。

いえ、「3.11」大震災は、忘れようがありません。
未曾有の原発事故で、日本国内に留まらず、空と海を通じて、地球上に放射性物質をまき散らしてしまったからです。
この先何十年、何百年かかるかわかりませんが、<原発事故>の後始末をし続け、私たちも見続けていかなければならないのです。

いくつか特集番組を見て、分ったことですが、 

福島第一原発では、災害をシュミレーションした(電源確保や、注水の)本格的な訓練が、過去に一度もされたことがなかった。これには驚きました。
そのため、実際に事故がおきて混乱する中、(複雑な配管を熟知していず)間違った判断で、大量の汚染水がプールされてしまった。


原発の安全神話を力説してきた手前、最悪状態を想定した訓練は憚られた。と、いうことでしょうか。

使用済み核燃料の処理方法、保管場所が未確定のまま、何十基もの原子力発電所が次々に建設され、稼働を続けて来た。
何十年何百年と放射線を出し続ける、使用済み核燃料の処理方法も、最終保管場所も、未だに決まっていません。


そんな大事なことが決まらないうちに、見切り発車してしまった。
しかも、そのことの責任を、誰も取っていない。
その無責任さは、信じ難いものです。

日本は地震の多い国です。地震による津波の被害を、何回も経験してきた国です。にもかかわらず、原発建設場所の決定時に、注意が払われていなかった。
その上、再調査で直下に活断層があるらしいとわかっても、その事実さえ認めたがらない。


廃炉にしたくないからでしょう。
安全よりも経済効率。そんな電力会社の姿勢にも、驚かされます。

あれだけ「安全だ、安全だ!」と、強力に原子力発電所の建設を押し進めて来た自民党政権さえも、最近
「現段階では、(事故の)収束に程遠い。」と言い切っています。


たぶん、想像以上に危険なもだということに、遅まきながら気付き、後始末には何十年もかかると、覚悟したのだとわかります。

こんな言い方が適当かどうかわかりませんが、
私たち市民レベルで、これほど失礼な事がまかり通ることはありえません。
間違いなく、法律によって罰せられます。

反省しない。だから責任もとらない。
未だに経済(界)最優先で、国民の安全や健康を真剣に守るつもりがない。
恥ずかしくて、「自分の国は文明国です」とは、とても言えません。
何時になったら、経済最優先で突っ走るのを止めて、成熟した大人社会を目指すのでしょうか。

マッチ擦る 束の間 海に霧深し 身捨つるほどの 祖国はありや         寺山修司

最低でも一年に一回。
毎年3月11日には、一年間何が出来て、何が出来なかったのか。
どんなことが今問題なのか。これからどんな予定があるのか。
必死の取組みの成果を、責任をもって国民に報告してほしいのです。
私たちは、科学者、為政者、報道関係者の良識を信じて、未来に希望を持ちたいのです。
by hanatabi-haruko | 2013-03-12 19:42 | 雑事