28日(日曜日)、小雨混じりの天気でしたが、滋賀県大津市の<石山寺>まで出かけました。
大津はその昔、短い間ですが天智天皇が琵琶湖の西岸に都を置いた処。
南東岸に広がる山野では、大海皇子や額田王たちが薬草摘みや狩りを楽しみ、和歌を交わした地です。
万葉集に収められている奔放な恋の歌が思い浮かびます。
石山寺も歴史が古く聖武天皇(747)頃と聞きます。が、
紫式部が「源氏物語」の構想を練ったお寺であることでも、知られています。
光源氏のキャラクター「おおつ光ルくん」
光ルくんは何故かローラースケート靴を履いています。
「源氏物語」を要約して紹介するコーナーは入場無料。予習復習は何度でも。勿論見学いたしました。
琵琶湖から唯一流れ出る川、瀬田川が眺望できるこの場所は、
松尾芭蕉が庵を結んだことでも知られています。
雨にぬれる<多宝塔>
紅葉の盛りは未だですが、日本文学史上名高いふたりに思いを馳せて、境内を散策しました。
石山寺には「縁起絵巻物」があり、只今滋賀県立近代美術館で公開中。
これは何としても観ない訳にはいきません。
(交通の便が悪くタクシーで移動です。)
広い展示場二部屋にわたって、4往復もする絵巻物全7巻を、
初めは根気よく、最後には疲れて流すようにですが見入りました。
巻二第四段
同じく巻二第四段
巻三第三段
巻四第一段
詞書の字も描かれている絵も力強く、美しくて、魅力的な絵巻物でした。
(写真の絵はパンフレットから)
物語りの進行上や詞書に書かれている内容とは直接関係はないけれど、その時代の庶民の生活が生き生きと描かれていて、とても面白い。
しかも、侍が長刀を振り回す描写や「異時同図」の手法は、まるで現代の漫画の手法そのものです。
充実した美術鑑賞を終えて、旅は終わりました‥‥いえいえ
もう一泊してこれからFさんご家族との夕食会です。
待ち合わせ時間前にもうひとつ、素晴らしいものに出会えました。
散歩途中、<京都文化博物館>で「シャガール展2012」
(真の芸術は愛にあるのです)を鑑賞です。
マルク・シャガール「オペラ座の人々」
中央やや左下の建物は、シャガールが天井画を描いたパリのオペラ座でしょうか。
同「オルジュヴァルの夜」
(写真はポストカードから)
む〜!鮮やかな色彩が私の目に飛び込んできます。
ところで、京都の地下鉄の車中で、こんな吊るし広告を見ました。
「日本に、京都があってよかった。」‥実感です!
ふた夜続けての美味しい夕食、そして沢山の美しいものに触れられて
‥‥心身ともに満たされました。
食欲の秋、芸術の秋、よい秋を過ごしました。