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冬に逆戻り(2024. 03.19 TUE)

昨日一昨日とドンヨリとした空、風速は20メートルを超して気温は5℃以下、体感温度は限りなく0℃に近いかも知れません。
三日寒い日が続きその後四日暖かい日が続き、そうこうしているうちにだんだん暖かくなってゆくのが「三寒四温」とか。
とても「三寒四温」とはいえない「冬に逆戻り」です。

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わぁ~素敵! 駅前の大型店の入り口には<出店40周年>を祝って色とりどりの花がデコレートされていました。花の香りもします。
草花の芽吹きはまだまだ先、桜も4月の半ば頃まではお預けの北国です。真冬に思わぬ花のプレゼント、気持ちが明るくなりますね。

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散歩途中に一服。
窓の真前には樹木に吊るしてある鳥の餌場に、ひっきりなしに雀たちがやってきては餌を啄んでいます。そんな姿を眺めながら陶器屋さんの二階の喫茶店で一休みです。

三月というのに凍えるように寒い休日は、遠出では諦めあちこち店舗を巡って懸案事項だった家事雑事の片付けが進みほっとしている所です。間も無く新年度が始まります。 


# by hanatabi-haruko | 2024-03-19 13:06 | 秋田の四季

東日本大震災以来‥‥(2024. 03.11 MON)

思えば2011年3月11日の東日本大震災以来(それ以前阪神淡路震災からかも)、国内外では記憶に残る自然災害が次々に発生しています。被害状況が逐一映像で流されるようになったということもあり、災害列島日本に生きる私たちは繰り返し災害を擬似体験し、避け難いことと覚悟し、少なからぬ知恵を蓄積してきたように思います。辛いことではありますが多くの人たちが「明日は我が身」と捉え、被災者に心を寄せ復興を手伝い励まし合うことを身に付けてもきたと思えます。
テレビや新聞では、東日本大震災後13年特集でその後の検証が紹介されていますが‥‥一向に解決の方向が見えてこないのが<原発事故で固まって取り出せないでいる燃料デブリと増え続ける汚染水のタンク>でしょうか。処理水の海洋投棄はいつまで続くのでしょうか?

能登半島にも原子力発電所があり、事故が起きた時逃げるルートがないことが今回わかりました。またお隣りの福井県には15基もの原発があり、活断層の近くに建てられている原発もあると聞きます。「多分大丈夫だろう」とか「なんとかなるんじゃないか」で先送りするのはやめてほしいです。具体的に検証をしてあらゆる可能性に対処しなければ、天災と人災、二重の災害に立ち向かわなければならなくなります。
私たち個人では解決し得ない深刻な問題を認識するたびに、未来の子孫に危険な負の遺産を残す責任の重さに気が重くなります。

今年早々、1月1日夕方の能登半島の地震には驚きました。一夜明けて輪島朝市の場所が舐めるように火で燃え尽くされてしまったことにもショックを受けました。丸2ヶ月経った今も瓦礫の撤去から始まる町の立て直し計画は遅々として進んでいないようです。
地表に現れた隆起や亀裂は大きな地殻変動の爪痕、復興が遅れている理由も頷けます。

今回、能登半島地震に関係する二つの催し物に参加することで、私は秋田に居ながらにして支援先(具体的な寄付先)を早々に見つけることができました。3月4日の「工芸と天災」では輪島漆器の工房へ、そして3月10日の「一献の系譜」では能登の生んだ名杜氏の活躍した酒蔵も甚大な被害を受けて今期の造りは困難のようで酒造組合へ。

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家の近くに「見えない物語を魅せる」を理念に毎月1作品を厳選上映する小さなシネマがあります。『一献の系譜』のポスターに目が止まりました。酒造りの世界では名の知れた<能登杜氏>の活躍を紹介する映像です。1月1日の地震で能登半島の酒蔵のほとんどが被災し、特に水を大量に使う酒蔵は今期の醸造は困難なようです。

日本海側沿岸の秋田市に住んでいる私ですが、13年前、大きく揺れる地面に足を踏ん張り感じた地球の揺さぶりが体に刻み込まれています。そして間も無く太平洋側沿岸から届いた大津波に飲み込まれてゆく町々の映像を、スマホの画面で見せられた衝撃が記憶から消えることはありません。全ての被災地に思いを馳せながら、地道にずっと応援し続けてゆきたいと思っています。


# by hanatabi-haruko | 2024-03-11 08:16 |

クロストーク「工芸と天災」(2024.03.06 WED)

3月4日、『工芸と天災』能登半島輪島市の現状報告と、天災後に作家が何をできるのか考えるの集まりが秋田市文化創造館であると知り、輪島の漆塗りとは少なからぬご縁のある私は気になって覗かせていただきました。
能登半島の被災状況については、私たちの最も知りたいこと、関心事でしたので聴講のチャンスはありがたいことでした。

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まずは、輪島塗りの工芸家・赤木明登氏からの現状報告。各工程が分業化されている木型職人さんたちの作業現場の被害状況(スライド説明)が映し出されました。
散乱する家具道具や倒れかけた職人さん宅の建物を修復している様子/塗り以前の作業に携わる職人さんの高齢化、後を継ぐ者がいない状況/「漆芸家は自分らの世代でお終い」とまで言われているとか。このままだと老職人さんは何も言わずにフェイドアウトしてゆきかねない/職人さんが使う道具を製作する人も減ってきているという危機感も持っている/赤木氏の工房では2階の漆缶が倒れて大量の漆が階下に漏れ落ち、辛くも回収した話、などなど。

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間の休憩時間には、各々が用意された器を選び、希少な「農民芸術概論」を少しだけいただき、そして献杯をいたしました。

後半は芸術人類学者の石倉氏と新政酒造の佐藤氏を交えて、多方面から「工芸と天災」が語られました。
漆塗りに必要な珪藻土は繰り返された地震による地殻変動で得られたこと/労働の目的は「大量生産、且つ高い賃金で儲ける」は近代の病ではないか/工芸と柳宗悦の民芸運動の話/「宗教の神」以前に神様(自然を畏怖する心)はいるのではないか/宮沢賢治は「労働は苦役ではない。喜びだ」と考えた/ 失敗することを含めて楽しい労働もある。などなど‥‥哲学的な思考でのトークは盛り上がり、会の終わり頃には良い刺激を受けている自分に気がつきました。

赤木明登氏が今していること、そしてこれからしようとしていることは、職人さんたちの作業場の再生をし仕事を続けられるようにすることと言われました。
休憩時間に赤木氏に「知人の輪島塗りの問屋 Oさんが、ニューヨークで輪島塗の展示会をしている様子をニュースで見ました」とお話しますと「現場で動いている人たちはみんな元気ですよ!」と言われました。被災後時を置かずに新しい力が動き始めていることを心強く思いました。

振り返れば、1983年の日本海中部地震以来、今回の能登半島地震を入れて40年間に12回も甚大な被害をもたらした地震がありました。どこに住んでいようとも災害列島日本「明日は我が身」なのです。
最後に会場で回された壺は、想像していた通りに義援金で溢れていました。お疲れ様でございました。


# by hanatabi-haruko | 2024-03-06 10:45 |

生演奏を楽しむ(2024. 03.03 SUN)

3月に入って秋田市は真冬らしい寒い日が続いています。

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桃の節句の3月3日、楽しみにしていた『山形交響楽団 特別講演会』をあきた芸術劇場ミルハスで鑑賞しました。
公演日は休日の午後という私たちにとってはジャストミートな日程です。秋田市出身のピアニスト佐藤卓史氏の演奏で<ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番 ハ長調作品15 > が聞けるのですから待ちに待った企画です。ご存知 佐藤卓史氏は高校時代からピアノコンクールに出場していて、国内外のコンクールで好成績をあげて活躍中の中堅どころ。秋田が誇るピアニストです。今回はまさに目の前で生の演奏を聞けるのですから‥‥ワクワクします。
指揮者は同じく秋田市出身の佐々木新平氏。山形交響楽団 はお隣の県ながら、創立50年を越える歴史があり、年間演奏回数が150回ほどと多く、評価の高い交響楽団です。

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む~、指揮者もピアニストも交響楽団も、三拍子揃った素晴らしい演奏でした。
湧き上がるようなボリュウムある音色が、寒さで縮こまっていた私の身体(血肉)に響き渡り、魂を揺さぶられました。ブラボー!

私が以前に鑑賞した<ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番 ハ長調作品15 > で印象深かったのは2001年冬でした。ローマのチェチーリア音楽院で、指揮者クラウデイオ・アバド、交響楽団はベルリンフィルでした。このコンサートは クラウデイオ・アバドが2000年に胃がん手術をし無事復帰したことを記念するコンサートでした。が、予定されていたピアニストのマウリツィオ ・ポリーニが体調を崩し降板。超人気のピアニストの突然の降板に、若干23歳のジャンルカ・ カシオーリが代役に立ちました。同じイタリア出身です。
大きな目をくりくりさせて時々客席に笑顔を向けながら、余裕を感じさせる演奏で立派に代役を務めました。指揮者アバドとピアニストポリーニという超豪華な組み合わせを楽しみにしていた観客をがっかりはさせましたが、演奏が終わる頃にはアバドと共にカシオーリは場内に渦巻くような喝采を受けておりました。こうしてチャンスを得て代役を見事に務めた若いピアニストが、応援するファンも得て育ってゆくのだろうと想像できました。因みにカシオーリは、作曲も手掛け活躍中。佐藤卓史氏とほぼ同年代で40歳代前半です。
余談ですが、以前、音楽の旅をした時、ヨーロッパでは雪に閉ざされた冬には、オペラやクラシックコンサート、バレーなどを楽しむ習慣が定着していると知りました。特にオペラの公演初日などでは、ドレスを着こなした観客も多くいるのを見ました。ドレスまでとはいかなくても、年配のご婦人たちはちょっと改まった服装にネックレスや大きめのブローチなどを付けおしゃれをしていました。華やかなコンサートの雰囲気を大切にする気遣いなのだと思いました。 

開演15分前に、山響 金管アンサンブルと地元高校生とのプレ・コンサートもありました。本格的な交響楽団の演奏を聴き、学生たちはたくさんの刺激をもらったことでしょう。

ここは北国の秋田市、時折雪も舞ってくる鈍色の空、雪と寒さに閉ざされる季節です。温かいホールでオーケストラの生演奏で音楽を鑑賞できる贅沢なひと時を過ごしました。(いつもよりちょっとだけお洒落をして)


# by hanatabi-haruko | 2024-03-03 17:15 |

鳥海山に見守られて(2024.02.19 MON)


18日、日曜日は天気予報では一日中晴天。気温も17℃ほどまで上昇して4月を思わせる陽気になるそうな。そうと分かっているならば出かけてみたくなります。日本海沿いに南に車を走らせて隣県の酒田市まで足を伸ばそうかと決まりました。

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わ〜! 期待通り雪を被った鳥海山の勇姿が出迎えてくれています。

 
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由利本荘市手前からは車の窓からずっと鳥海山の山肌が白く輝き


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陰影が山の形を際立たせています。

 
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山形県酒田市といえば、取引させていただいている酒蔵『上喜元』さん、工業団地に新しい酒蔵を建設されたと聞いておりましたので、日曜日休業を承知で、ちょっとだけ立ち寄らせていただきました。

山形県は「ラーメンにかける一人当たりの金額が日本一」とも聞きましたので、昼食はラーメンを。

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久しぶりに『土門拳』記念館も訪ね


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上着を脱いで、池を一周散策しました。

 
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土手の木々の影が筋状に流れてお洒落です。


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ここは、池(水)と石を配したイサム・ノグチの設計した中庭も見どころです。

近くにある、西郷隆盛との交友を顕彰する『南州神社』も訪ねました。今日に至るまで地道な学習会などを続けているそうで、忍耐力があり勤勉性に富む山形県人気質を感じました。
そして欲張って、本荘市の雛街道を帰路途中に覗いてみたく、本荘郷土資料館に寄ってみました。

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御殿雛飾り

 
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古雛たち


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普段の人形遊びで使っていたものでしょうか

 
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贅沢を廃するという名目で作られた極小のお道具たち。貝合わせの貝は、「はまぐり」ではなく小さめの「しじみ」でしょうか。虫眼鏡で見ないとわからないほどです。


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山形と秋田の県境、海近くに聳える独立峰「鳥海山」です。裾野まで雲に邪魔されず、移動中も一日中ずっと御山に見守られていたように感じました。
♪ 秀麗 無比なる 鳥海山よ‥‥♪と、秋田県民歌に歌われている「鳥海山」のスケールの大きさを満喫した一日でした。




# by hanatabi-haruko | 2024-02-19 16:50 | 秋田の四季